• 秘仏参拝/宿坊一乗院
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秘仏参拝

当寺院では、秘仏が収蔵されている奥之院を毎年8月10日の祭礼[四万八千日]万燈会に合わせて特別御開帳しています。なお、それ以外の日においても事前申し込みを行えば、拝観が可能となっています。

奥之院の宮殿(くうでん、入母屋造・柿葺)は、慶長年間(1596〜1615年)に当地を治めていた最上義光が奉納したものと伝えられています。

その厨子の中央に千手観音菩薩像、右に菩薩立像(伝薬師如来像)、左に菩薩立像(伝阿弥陀如来像)の三躰が祀られ、厨子の手前の右奥から天部立像(伝勢至菩薩)、吉祥天、天部立像(伝毘沙門天)、子安観音像の四躰が安置されています。

観世音菩薩立像(千手観音)

制作:平安時代前期
像高:175.0 cm
国指定重要文化財

ケヤキの一木造で内刳を施さない丸彫像。両肩外側材および両肘以下が欠失していますが、左肩部に枘穴、また肘にも角度を変えた枘穴が数個見られることから、もとは千手観音像であったと考えられています。頭部が大きく頬を張った面相で体部も量感を示す体型となり、また翻波式衣文の名残も見えますが、彫りは全体に浅くなっているので10世紀に入ってからの制作であると考えられています。裙の折り返しの形、裙裾の形、細かい折り返しの多用など珍しい表現が多く見られる像です。

観世音菩薩立像(千手観音)
観世音菩薩立像(千手観音)

菩薩形立像(伝阿弥陀如来)

制作:平安時代中期
像高:169.0 cm
県指定有形文化財

一木造。寺伝では阿弥陀如来といいます。頭部が小さい体型ながら体部の量感は豊かであります。天冠台の形式や裙折り返し正面の猪の目形、裙裾の形など古風な表現を見せますが、目鼻が小さくなっていることや、衣丈線の彫りが浅くなっていることなどから、10世紀末〜11世紀初の制作ではないかと考えられています。また千手観音像と同様に天衣は別材製で浮かせていたものと思われます。本像ももとは千手観音であったのではないかとも考えられています。

菩薩形立像(伝阿弥陀如来)
菩薩形立像(伝阿弥陀如来)

菩薩形立像(伝薬師如来)

制作:平安時代中期
像高:176.0 cm
県指定有形文化財

寺伝で薬師如来といいます。明治三十六年(1903年)に観世音菩薩像が旧国宝に指定されるまでは阿弥陀如来を本尊として阿弥陀如来、薬師如来、観音菩薩の三尊一具として祀られていたと考えられています。一木造りで両肩以下を欠失していますが矧面には数個の枘穴が見られます。やはりもとは千手観音像であったかとも考えられ、頭部が大きく体部も堂々としていますが天冠台の形式や衣丈線の浅さから制作は十一世紀くらいかと考えられています。

菩薩形立像(伝薬師如来)
菩薩形立像(伝薬師如来)

天部立像(伝勢至菩薩)

制作:平安時代
像高:95.5 cm
県指定有形文化財

一木造で内刳を施しています。面相は面長で体軀は細く均整のとれたプロポーションを示し、衣文線は浅く柔らかく表されています。三眼を着け、亀の上に立つので水天像と思われます。当寺は本像のほかに散脂大将像、和羅女像と思われる像も残っていたことから、千手観音の眷属の二十八部衆として制作されたものと考えられています。平安時代の二十八部衆の遺品は全国的にも珍しく、制作は12世紀頃と考えられています。

天部立像(伝勢至菩薩)
天部立像(伝勢至菩薩)

天部立像(伝毘沙門天)

制作:平安時代中期~後期
像高:100.5 cm
県指定有形文化財

一木造で内刳を施しています。寺伝では毘沙門天像といいます。甲冑に身を固め、腰をひねって立っています。現在は肩以下を欠失しているが、顔の両側に指先が残り、両手で面を剥ぐ形を示しています。これは千手観音の眷属の二十八部衆の中の散脂大将像の姿であります。表情は穏やかで体軀の肉付けも柔らかく、制作は12世紀頃と考えられています。

天部立像(伝毘沙門天)
天部立像(伝毘沙門天)

吉祥天

この女神像は吉祥天と呼ばれています。髪を中央で分けて左右に長く垂らす女神像で、優しい顔立ちをしています。

吉祥天
吉祥天

菩薩形立像(伝子安観音)

この菩薩形立像は寺伝では子安観音といい、像高は約50センチ程度です。

菩薩形立像(伝子安観音)
菩薩形立像(伝子安観音)

参考文献

『平成の美仏大百科』枻出版社(2018年)
『みちのくの仏像』展覧会図録 東京国立博物館ほか(2015年)
『みちのくの仏像』(『別冊太陽 日本のこころ』200)平凡社(2012年)
『ふるさとの仏像』山形市教育委員会(2011年)
『山形県の文化財』山形県教育委員会(2002年)

宿坊一乗院

一乗院

山辺町杉下にある一乗院は、本尊に不動明王を祀った山奥の自然豊かで長閑な別院です。ここでは、毎月28日の不動明王縁日に縁日祈祷を行っているとともに、一般宿泊・休憩所としての受付を承っています。

昔ながらの囲炉裏のある一乗院の建物の中に身を置き、庭や周りの山並みの自然を眺めながら、社会の喧騒から離れた心静まるひとときを過ごしてみませんか。

一乗院

住所:〒990-0033 山形県東村山郡山辺町杉下372
(グーグルマップでの地図はこちら
メール:info@dewa-kichijoin.jp

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